皆さんは、栄養士や管理栄養士として働く場所というと、どんなところを思い浮かべますか?
学校や保育の給食現場や、医療、食品メーカーなどの研究職を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、意外と知られていない栄養士・管理栄養士の就職先として「福祉施設」があります。
「福祉」と「栄養士」ってあんまり関係ないんじゃない? これまでの資格とかスキルは活きるのかな?
と思われがちですが、栄養士・管理栄養士の方が福祉の現場にいると、周囲のスタッフや施設のご利用者にとって、とても助かることがあります。
「栄養士×福祉」は一見、異業種の掛け合わせのように見えますが、
実際に働いてみると、栄養士や管理栄養士として活躍できる場が広がっていて、とても相性の良い組み合わせです。
今回は「栄養士・管理栄養士が福祉施設で活躍できる7つの理由」についてご紹介します。
いま栄養士・管理栄養士として福祉業界への転職を悩まれている方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
栄養士が福祉施設で活躍する7つの理由
なぜ栄養士・管理栄養士が福祉施設で活躍しやすいのかというと、
② 様々な立場のスタッフと連携できる
③ 身体的な負担を抑えて働ける
④ 観察・記録・報連相のスキルが活きる
⑤ 身近な栄養アドバイスで利用者支援
⑥ サービス管理責任者へのキャリアアップ
⑦ 法人内に管理栄養士のポジションが多い
の7つです。
① 「食」を通じて人を支えられる
福祉のお仕事と栄養士のスキルは一見、関わりがないように見られがちですが、
食生活は、施設のご利用者の「生活の質(QOL)」に関わるところで、支援の現場でもとくに重視されています。
たとえば、当社では就労継続支援A型事業所を運営しており、施設内で障がい者の方に就労の機会を提供しています。
障がいを抱える方や、高齢者の方にとって「食生活」は「生きる喜び」でもあり、
自立した生活を送るためにも、健康的な食生活が欠かせません。
就労A型リリーフ・リファインでは、ご利用者の1ヵ月の振り返りとして「食事は規則正しく取れていますか?」という項目を設けています。
これは、食事をきちんと摂ることが生活リズムの安定に繋がっていて、就労を続けていくための指標になるからです。
多くの就労継続支援A型の施設では、「生活リズムを整えること」を、ご利用者の最初の就労目標に設定します。
- きちんとした食生活が送ることができる
- 生活リズムや体調が整う
- ご本人の就業や自立につながる
という就労支援の考え方があり、ここで栄養士のスキルや経験が活きてきます。
障がい者支援のお仕事としてはじめやすい「生活支援員」のお仕事では、
施設のご利用者の日々の体調観察とケース記録を行います。
支援員として勤務していると、ご利用者に不調がみられるとき、食生活に問題が見受けられるケースに出会うかもしれません。
そういったとき、栄養士・管理栄養士であれば、適切なアドバイスを行うことができます。
この点が、栄養士・管理栄養士にとって、障がい者や高齢者支援を行うときの「強み」になります。
栄養士の食生活への視点は、福祉のご利用者の生活支援でも大事なポイントです!
② 様々な立場のスタッフと連携できる
栄養士・管理栄養士としてこれまで勤務されてきた方は、
・保育園の園長や保育士
・直営の管理栄養士
・厨房の調理師
・院内の医師や看護師
といった、様々な立場の職員・スタッフと関わった経験があるかと思います。
なかには、学校や保育園、病院側の管理職の要望と、厨房スタッフの板挟みにあって、悩まれた方も多いのではないでしょうか。
とくに現場での栄養士の配置は少ない傾向にあり、職場では、「栄養士1名」対「調理師多数」の構図になりがちです。
そういった難しい関係性のなかで、栄養士業務の調整を経験してきたことは、福祉の職場で必ず活かすことができる対人スキルとなります。
福祉の「生活支援員」のお仕事で考えてみても、
・上司の「サービス管理責任者」
・福祉法人の「代表・法人幹部」
・他部署の「事務、経理、相談員」
・支援する「利用者」
・施設利用を希望する「見学者」
・外部の「来客者、行政担当者」
など、福祉法人の内外で様々なポジションの人々と関わることになります。
福祉の職場は、1つの施設内や法人内で色んな職種の方が働くオフィスなので、
一般的な栄養士の現場に比べると、偏りが少なく、かなりフラットな職場に感じられるかと思います。
栄養士にとって「献立作成」が、調理師の業務量に影響したり、児童のアレルギー問題など、責任が重い業務になっていますが、
福祉の職場では、より身近な「利用者との会話」のなかから、必要な時だけ栄養や献立のアドバイスをする形になるので、
心理面での負担が楽に感じられるところもあると思います。
障がいを持つご利用者の自立に向けて、法人スタッフが全員で協力して支援する職場であるので、
同じ目的意識を共有しやすく、部署ごとの利害関係よりも、協調性が重視されやすいのが福祉職のいいところです。
栄養士として色んな立場の人に関わるのは大変だったけれど、次の福祉の仕事に活きるかも……!
③ 身体的な負担を抑えて働ける
栄養士の現場に入ってみると、思っていたよりも力仕事だった、と感じたことのある方も多いのではないでしょうか。
とくに給食現場では、数百食という膨大な調理業務に追われていて、
そのなかで献立作成や発注作業を行わなくてはならず、身体的な負担が大きくなります。
病院勤務の場合も「発注、検品、調理」の通常業務に加えて、
院内の患者さんの見回り(ラウンド業務)があり、ほとんど休む暇もない激務になりがちです。
福祉のお仕事も忙しいときはありますが、基本的にはオフィス内での事務作業やご利用者への対応がメインとなります。
大釜や鍋などの重たいものを持って大量調理を行うような、身体的に強い負荷が掛かることはありません。
株式会社レジリエンスでは、在宅勤務の働き方をA型事業所内に取り入れています。
ご利用者の方は普段、在宅で勤務されるため、直接的な支援の負担は少なく済みます。
社内ではSlackを使った連絡体制を整えており、オフィスへの出社・在宅のどちらにでも対応できる環境です。
一般的な栄養士業務では、時間に追われて残業をしたり、仕事を持ち帰っていた方もいらっしゃるかもしれません。
当社では残業のない勤務方針で、定時に退社できる社風があり、業務時間外の仕事の持ち帰りもありません。
福祉の職場のなかでも、職員の働きやすさをとくに重視しておりますので、この機会に当社の栄養士求人をご覧ください。
栄養士の調理業務など身体的な負荷が気になるなら、レジリエンスの栄養士求人をチェックしてみてくださいね。
④ 観察・記録・報連相のスキルが活きる
栄養士の勤務で、患者さんや児童の食事の様子を見守っていた経験はありませんか?
福祉のお仕事も、ご利用者の支援を行うときは「相手をよく観察すること」が重要なスキルになります。
とくに障がいを抱える方の場合、支援を必要としているときでも、
相手に気持ちを打ち明けるのが難しかったり、考えていることがうまく伝えられないケースがあります。
福祉の支援職では、ご利用者が話す内容だけではなく、実際の行動を見ながら支援を提供します。
たとえば、電話越しに「大丈夫です」と話していたとしても、
・作業の提出物や連絡に遅れが続く
・理由の分からない遅刻、欠席、早退がある
・電話を掛けても出ないことがある
といった「行動の変化」が見られることがあります。
実際にはご本人のなかで悩まれていることがべつにあり、うまく聞き出すこともできないまま、体調不良だったことがあとで分かって休職や退職に至ることがあります。
このとき、日頃から利用者のことをよく見守っていて、コミュニケーションが取れる関係性ができていれば、
何気ない会話のなかで、利用者が悩んでいることを思わず口にしていたり、受け答えの様子から異変に気が付くことがあります。
栄養士として、患者さんや児童に栄養指導を行うときも、
・決まった時刻にきちんと食事が摂れているか?
・咀嚼・嚥下が難しいメニューはないか?
・いつも食べ残しのあるメニューは何か?
とよく観察されていた「栄養士・管理栄養士」の方も多いと思います。
栄養士として相手の状態を観察したり、提供したサービスが適切だったか、確かめながら改善できる能力は、
障がい者支援の現場でも活きる支援スキルです。
栄養士のお仕事で、相手のことをよく観察してアドバイスをしたり、見守ったりする業務は、福祉でも同じみたい。
また、栄養士の方は「記録・報連相」のスキルに長けている方が多い傾向にあります。
発注や検品の際に漏れがないか、毎回の記録を取ったり、
患者や児童のアレルギー情報を調理師に伝えたりする役目を担っていた方もいらっしゃるかと思います。
生活支援員のお仕事でも、ご利用者の状態を日頃から把握しておくために、毎日の体調管理の記録や、ケース記録を残しています。
業務上でご利用者から相談を受けた場合は、他の部署の担当者に繋いだり、
ご利用者の状況に異変があれば、管理者に報告を入れることもあります。
こうした栄養士の「記録・報連相」のスキルは、福祉のお仕事でも共通するスキルです。
⑤ 身近なアドバイスで利用者支援
栄養士として勤務しているとき、
栄養指導をしても、なかなか受け入れて貰えないなあ。もっと自然な形で栄養のアドバイスができればいいのに。
と感じたことはないでしょうか?
栄養指導を行う場面では、栄養士が「教える側」になり、患者さんが「教わる側」のタテの関係になります。
そのため、患者さんが身構えてしまいやすく、栄養指導の話が一方通行になることも。
「食事のことで注意されるかもしれない」と思うと、素直にアドバイスを聞き入れてもらえないことがあります。
福祉のお仕事では、「ご利用者に寄り添う対応ができること」を重視します。
A型事業所では、1日2~4時間ほどの短時間で、主に障がいを抱える方や高齢者の方が勤務されています。
生活支援員のお仕事は、
・業務面でのお困りごとのサポート
・通所時の対面での相談対応
などが、利用者支援の主な業務です。
ご利用者の方は、病院や学校ではなく、街中で暮らす障がい者の方です。
その人の日常生活を支える役割を、福祉施設のスタッフが担っています。
ご利用者との会話やテキストメッセージでのやり取りをしながら、より身近な関係のなかで「人を支える」のが福祉のお仕事です。
「教える側」と「教わる側」、「支援する側」と「支援を受ける側」という固まった関係性ではなく、
障がいがあっても、その人らしい生き方ができるように生活面でアドバイスを行います。
過去に「栄養士・管理栄養士」だったからといって、必ずしも支援の場面で「食生活や栄養指導をしなければならない」ということはありません。
なるべく自然体のリラックスした状態で、ご利用者に接すると、障がいを持つ方の緊張もほぐれてくることがあります。
障がいの有無や、指導員と利用者という立場の違いはありますが、
当事者の意思を尊重しながら支援できることが、生活支援員の重要な資質です。
⑥ サービス管理責任者へのキャリアアップ
栄養士・管理栄養士の方に福祉業界をおすすめする理由としては、
「異業種からでもキャリアップを目指すことができる」からです。
仮に栄養士・管理栄養士としてまったく経験のない、他の分野への転職となると、これまでの経歴や資格をうまく活かせず、転職後のキャリアが見えにくいこともあるかもしれません。
障がい福祉の支援職には「サービス管理責任者」という資格職があり、取得した「栄養士・管理栄養士」の国家資格を活かすことができます。
「障害者総合支援法」により、障害福祉サービスの事業者は、施設内に「サービス管理責任者」の配置が義務付けられています。
つまり、障がい福祉サービスを提供する事業者において、つねに需要があるのが「サービス管理責任者」資格なのですが、
無資格の場合は最長で5~8年の実務経験が必要になり、福祉業界では確保が難しい人材になっています。
しかし、栄養士・管理栄養士の国家資格を持ち、実際に国家資格に基づく業務に3年以上従事していた場合、
「サービス管理責任者」取得のための年数制限が緩和され、最短5年で取得が可能です。
実際の取得期間を、無資格者に比べて3年短縮できるため、キャリアチェンジの際に国家資格の「栄養士・管理栄養士」を取得していたことが役立ちます。
栄養士・管理栄養士のスキルだけでなく、国家資格のメリットを活かす意味でも、福祉業界へ転職して「サービス管理責任者」を目指すキャリアアップがおすすめです。
無目的に飛び込む転職よりも、転職後のキャリアアップまで見据えて、福祉のお仕事をスタートすることができます。
「サービス管理責任者」は、福祉業界では引く手あまたの資格職です。
施設の代表として、ご利用者への対応や職員をまとめる責任者である分、給与や待遇の面でも厚遇される傾向にあります。
今後も障がい福祉サービス事業の需要は伸び続けることが予想されます。
「サービス管理責任者」の資格を取得することで、福祉業界で将来性のあるキャリアを作っていくことができます。
栄養士・管理栄養士の国家資格を取得したことは、福祉業界でのキャリアアップに役立ちます!
栄養士・管理栄養士の実務経験が3年以上あれば、サービス管理責任者の取得まで3年も短くできるのね。無駄にならなくてよかった。
⑦ 福祉法人内に管理栄養士のポジションが多い
障がい福祉サービス事業所の法人は、複数の障がい福祉サービス施設を運営しているケースがあります。
たとえば、
・就労継続支援B型事業所
・就労移行支援事業所
といった施設のほかにも、
を併設するケースがあり、居住面でも障がい者サポートを行う場合があります。
管理栄養士の資格をお持ちの場合は、グループホームを利用されるご利用者(入居者)への食生活のアドバイスをはじめ、
献立の提案や簡単な調理補助を行うグループホームもあります。
とくに施設利用者を対象とした「栄養ケア・栄養マネジメント」への注目が高まっており、グループホーム事業は栄養士・管理栄養士の活躍が期待される分野です。
グループホームの入居者の方は、地域で自立した暮らしを望む障がい者の方で、
健康的な生活を送るためには、毎日の栄養バランスの取れた食生活が欠かせません。
管理栄養士であれば、ご利用者(入居者)の「栄養ケア計画」の作成や、「(栄養)アセスメント」などを担うことができるため、
障がい者グループホームでも管理栄養士の求人はとくに多い傾向にあります。
このように、ひとつの福祉法人(グループ企業内)のなかで、「管理栄養士・栄養士」であれば活躍できるポジションが多いため、福祉業界への転職がおすすめです。
法人のなかで栄養士・管理栄養士が担当できるポジションが多い=仕事や活躍の幅が広がるっていうことだね!
従来の栄養士業界の外に、管理栄養士・栄養士として活躍できるチャンスがあります。当社も管理栄養士・栄養士から福祉業界へのチャレンジを歓迎していますよ!
株式会社レジリエンスでは「管理栄養士・栄養士」を募集しています!
今回は「栄養士・管理栄養士が福祉施設で活躍できる7つの理由」をご紹介しました。
募集中の「生活支援員」の職種では、「在宅支援」業務として、ご利用者への体調確認や健康面でのアドバイスを行います。
ご利用者への「お電話&記録」が中心の事務サポートで、身体的な負担を減らして働くことができるのがメリットです。
職員には個別デスクをご用意しており、仕事で使用する「社用スマホ・社用PC」は無料で貸出いたします。
勤務日数の目安は、平日(月~金)の週3~5日、1日4~6時間の短時間(パートタイム)でご勤務いただけます。
ハイブリッド型の勤務体制で、育児や介護などのご家庭の事情に合わせて、在宅勤務と出社日を調整可能です。
また勤務時間帯につきましても、ご相談に応じます。面接時に採用担当者までお伝えください。
A型事業所のため、日曜は事業所が定休となり、年末年始の休暇もございます。
福利厚生として、NETFLIXの視聴無料、ベネフィットステーションの無料加入、社内パーソナルジムの無料利用をご用意しています。
栄養士の方へのメリットとして、管理栄養士の取得を目指される場合、法人側で教材・テキスト代を負担いたします。
そのため、管理栄養士の国家試験対策の教材がすべて無料となります。
また「サービス管理責任者」へのキャリアアップに向けて、社内でのフォロー体制や、資格取得費用が無料になる制度もございます。
サービス管理責任者の資格取得後は、昇給や正社員登用などの待遇をご用意しています。
実際に栄養士・管理栄養士の未経験から転職して、活躍しているスタッフも当社に在籍しておりますので、安心してお仕事に臨んでいただける環境です。
ぜひ株式会社レジリエンスの求人募集やスタッフボイスのインタビューをチェックしてみてください。
勤務予定先は、2025年7月に新規オープンした「就労継続支援A型リライフ」で、当社の関連法人(一般社団法人関西キャリア教育センター)にてご勤務いただく予定です。
栄養士・管理栄養士の方からの職員募集へのご応募を、心よりお待ちしております。
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