【学校・保育給食・病院】現場の栄養士が抱えるリアルなお悩みごと9選

私たちが普段、口にしている「食事」にまつわる職業というと、どんなお仕事を思い浮かべますか?

調理師や、飲食店のシェフ、最近ではYouTubeの料理研究家などを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。

なかでも、食事にまつわる「栄養」のプロとして「管理栄養士・栄養士」のお仕事をご存じでしょうか。

「管理栄養士・栄養士」は国家資格でもあり、身近なところでは「学校給食・保育給食・病院勤務」などの現場で働かれている栄養士の方も数多くいらっしゃいます。

栄養士・管理栄養士は、「食事や献立の提供、栄養指導」を通して、施設内のご利用者の健康を守っています。

とても大事な役割がある職業ですが、一般の方には業務内容があまり知られていない点があり、そのギャップに悩まれている栄養士の方も少なくありません。

今回は、栄養士の勤務先ごとに異なる【お悩み事・あるある】についてまとめてみました。

記事の最後では、おすすめの転職先などもご紹介しますので、

栄養士のお仕事で「もやっと」することが多い方は、チェックしてみてくださいね。

【学校・保育給食】栄養士のお悩みごと5選

【学校給食・保育園給食】での栄養士のお悩みごと・あるあるは、

① 献立考案がメインと思っていたのに、厨房メインの力仕事だった
② 手間の掛かる献立だと厨房の調理師から怒られる
③ 献立を提案しても、学校・園側の職員の好き嫌いではねられる
④ 栄養士の配置が少なく、厨房や保育士と対立したときに不利になる
⑤ 児童のアレルギー問題の責任が重い

の5つがあります。

① 献立の考案がメインと思っていたのに、厨房メインの力仕事だった

栄養士・管理栄養士として就職する際に、ギャップを感じやすいのが「思っていたよりも力仕事が多い」ことです。

とくに学校給食の現場では、数百食という膨大な数の調理が必要で、給食室での調理の負担が大きくなります。

学校の栄養士・管理栄養士の業務のイメージとして「献立の作成」や「児童への食に関する教育や指導(食育)」などを思い浮かべるかもしれません。

しかし、実際の勤務では、つねに人手不足の厨房調理に加わりながら、その合間を縫って献立を考えるので、

事務よりも力仕事がメインになるケースが大半です。

栄養士課程でせっかく栄養学を学んできたのに、実際には調理の仕事に追われてしまい、

その結果、当初、栄養士の資格を取るときに思い描いていた仕事像との違いにギャップを感じ、辞めてしまう方もいます。

② 手間の掛かる献立を提出すると、調理師から怒られてしまう

新人の栄養士として勤務をはじめたとき、よく悩まれるのは献立作成についてです。

栄養バランスのよい食事を提供するために、栄養価の高い献立のメニューを提案しても、

調理に手間が掛かり過ぎるメニューだと、現場の調理師から怒られてしまう、というのが新人栄養士の「あるある」。

実際の献立を考えるときには、食事の栄養の観点だけでなく、調理の負担を含めて考えるのがポイントで、

調理師の負担を知るためにも現場に一度は入るというのが、栄養士のキャリアとして避けては通れないルートです。

しかし、調理師に比べ、献立の作成や発注といった事務作業を任されているうえ、

給食で問題が起きたときの最終的な責任者は栄養士・管理栄養士になるので、

業務量と責任が割に合わないと感じて「もやっと」するケースが多いです。

③ メニューが学校・園側の職員の好き嫌いではねられる

栄養士として中堅になり、栄養価の高い食事メニューと調理師さんの負担まで織り込んで考えた、質の高い献立作成ができるようになったとします。

しかし、勤め先が私立学校や認定保育園であった場合、学校や園のなかで独自ルールが作られていることがあります。

学校・保育園側の担当者は教育や保育のプロではあっても、栄養士・管理栄養士としての視点は持っていません。

提供したい献立があっても、学校や園側のルールや、職員の好き嫌いで献立を変えるようにクレームが入ることも。

とくに園長や保育士、先生と意見が割れて対立する場合もあり、個人の好き嫌いでメニューを変えるように言われてしまい、

根拠がないメニュー変更に、頭を抱えた経験のある栄養士の方も多いのではないでしょうか。

一方、公立校では、地域内で統一の献立が決まっているので、栄養士として自由に献立を組むことができないジレンマがあります。

開校からの歴史が長い学校の場合は、給食室や厨房のなかで伝統的に受け継がれているメニューや味付けの方法があり、

健康の観点から薄味にした方がよいのではと意見しても、まったく通らず、もやもやしがちに。

④ 栄養士の配置が少なく、調理師や保育士と対立すると不利になる

これは栄養士の配置上で起こりがちな問題ですが、給食室や園内で他のスタッフと対立したときに、職場で孤立しやすい点が挙げられます。

給食室や保育園での栄養士の配置は少数のため、前任の管理栄養士が1名いて、そこに栄養士として入る、もしくは、引継ぎのあとは1名のみで業務を行います。

厨房での調理師は、経験の長いベテランスタッフやパートの職員が務めていることが多いのですが、

栄養士・管理栄養士として入ると、すぐに指導する側の立場になってしまいます。

そのため、自分よりも勤務歴が長かったり、年上の相手に意見せざるを得ない状況になるため、

昔から「栄養士と調理師は仲が悪くなりやすい」と言われます。

配置人数の面で言っても、栄養士1名と調理師多数の状況になり、

調理師の方は、厨房のなかで固まってしまいがちなので、職場で孤立させられてしまうのが難点。

保育園でも似たような問題が起きていて、栄養士と保育士で対立が起こると、園側は基本的に保育士を守るように動きます。

保育士は保育士同士で横のつながりがあるため、同僚に話すこともできますが、

栄養士は施設のなかにひとりしかいないので、不満に思っても誰にも相談できずに悩まれていくことも。

栄養士の配置先が施設である以上、どうしても閉鎖的な環境になりやすく、

さらに栄養士の配置人数も一名であるために、周囲の想像以上に孤立感を抱えやすいお仕事です

⑤ 児童のアレルギー問題での責任が重い

学校給食・保育給食で、もっとも責任を感じるケースとして児童のアレルギー問題があります。

アレルギーを持つ在校生への給食で、誤った献立を作成して提供してしまうと、児童への重篤な健康被害を引き起こすことがあります。

食の安全を守る意味で、管理栄養士・栄養士の役割は欠かせないものですが、その責任の重圧が、職務に見合うものなのか、と疑問が湧くかもしれません。

また献立の作成や調理に問題がなかったとしても、教員側への情報共有がうまく行かず、アレルギーを持つ児童への配膳ミスが起きる可能性も。

アレルギー対応でとくに細心の注意を払う必要があるため、プレッシャーのある中での仕事を辛く感じ、転職される方もいます。

【病院勤務】栄養士・管理栄養士のお悩みごと4選

【病院勤務】の栄養士・管理栄養士のお悩みごとでは、

① 院内で医師をつかまえるのが難しく、献立変更の相談がしづらい
② 患者の献立を変えようとすると、医師に断られる
③ 直営か委託かで上下関係ができてしまう
④ 入院後に栄養指導を行っても、患者さんの状態を回復できない

の4つがあります。

① 院内で医師をつかまえるのが難しく、献立変更の相談がしづらい

病院勤務の栄養士のお悩みとしては、患者さんの献立変更の相談をしようとしても、まず医師がつかまらない、のが「あるある」のひとつ。

病院のドクターは、院内の患者の定期的な回診、外来の診療、急病患者の処置、看護師への指示や、後進の医師への指導など多岐にわたります。

そのため、栄養士と時間を取って話をすること自体が難しくなっていることも。

対応する医師によっては、栄養士と性格が合わない場合もあり、院内で内線を掛けても門前払いをされたり、

却って「適当にやっといて」と一言で放り出されてしまったり。

真摯に患者さんに合う献立を提供したいと思っていても、

患者の食事の変更ができるのは、担当の医師にお伺いを立ててからになるので、

思うように医師とコミュニケーションが取れず、もやもやしがちです。

② 患者の献立を変えようとすると、医師に断られる

栄養士として患者の献立を変えようとしても、医師の側で頑なに断られることもあります。

性格的に神経質なところがあったり、プライドの高い医師の場合、栄養士の立場から進言しても、断られてしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。

医師の側に明確な理由やポリシーがあり、患者に提供している院内食を変えないケースもあります。

しかし、その理由までは詳しく説明してもらえなかったり、単に人の好き嫌いで栄養士の意見が拒まれているように見えることもあります。

病院内のカンファレンスなど、病院内の多職種のスタッフが集まる会合で、

繰り返し、患者にとって適切な栄養食の重要性を訴えることで、ようやく医師に献立変更の相談ができることも。

③ 直営か、委託かで上下関係ができてしまう

これは、同じ栄養士でも病院から直接雇用されているか、外部の業者として雇用されているかで、立場に差が生まれてしまうというあるあるです。

よくあるケースとしては、病院内に直営で配属されている管理栄養士が上司になり、部下として委託の栄養士が入る、というパターン。

この場合、献立のメニューや発注などの事務は直営の管理栄養士が行い、

委託で入る栄養士は、主に調理師の人手不足を補うためにほとんど厨房の力仕事に回されることがあります。

献立の考案など、栄養士にしかできない業務を先輩の管理栄養士が受け持っていて、

委託の栄養士としては活躍の場が限られてしまうことが悩みとなります。

また委託の立場だと、直営の栄養士の指示がない状態で動いてしまうと、上司に判断を仰ぐよう、釘をさされてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。

たとえば、厨房調理が明らかに間に合っておらず、よかれと思って委託の立場で手伝ったところ、「それはあなたの仕事じゃない」と直営の栄養士に言われてしまったり。

委託の栄養士が複数いる場合は、安易に他の仕事を引き受けてしまうと、

「委託側の仕事が増える」と、同じ委託側のメンバーから非難されることもあります。

直営と委託で立場が分かれることで、同じ栄養士なのに病院内で動きにくくなって、もやもやするときも。

④ 入院後に栄養指導を行っても、患者の状態を回復できない

これは病院だからこそ起きるジレンマで、

病院へ移送されてきた患者は、何らかの治療やケアが必要な状態で入院することになります。

医師から処方された薬の服用や入院生活、手術により、症状が改善されることで退院へと向かっていきます。

しかし、患者のなかの一部は、治療によって日常生活は送れるけれども、

以前のような状態には戻れない、回復の見込みがない形で、栄養指導を行うことがあります。

たとえば、栄養指導の対象となりやすい糖尿病や腎臓病の場合、

末期症状になると、足の切断手術を余儀なくされたり、腎臓の摘出を行うケースがあります。

その場合、栄養指導を行うことで糖尿病や腎臓病の進行は抑えることができますが、

既に手術で失われた身体や臓器の一部は、元に戻ることはありません。

「栄養指導は、入院したあとではなく、入院前に行うべきものだった」と感じて、

やりきれない思いを抱える栄養士の方もいらっしゃいます。

栄養士として福祉職で働く道があります!

今回は、「学校・保育給食」「病院勤務」で働く栄養士・管理栄養士のお悩み事やあるあるを9つ紹介しました。

栄養士の職に実際に就いてみて「とても大変だった」「転職を考えている」方も少なくないのでは、と思います。

株式会社レジリエンス(一般社団法人関西キャリア教育センター)では、栄養士としてご利用者の支援業務に携わっていただける職員を募集しております。

栄養士というと、これまで「学校・保育園・病院・介護施設」などで働くイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

しかし、これまで栄養士の「あるある・悩み」を見てきたように、

・栄養士の配属が少数で孤立しやすい
・直営か委託かで立場が分かれてしまう
・学校や保育園、厨房との板挟みがある
・栄養士の資格を活かす業務に就けない

など、現在の栄養士の待遇は、労務上で構造的な問題を抱えています。

株式会社レジリエンスでのお仕事は、就労継続支援A型という、障がい者の就労をサポートする業務を行っています。

これまでの福祉の「働きにくさ」を改善し、リモートワークや時短勤務、育休・産休が取りやすく、残業がない勤務方式を取り入れております。

業務内容は、体調確認のお電話や記録、面談などを通じて、利用者の健康をサポートするお仕事です。

栄養士の観点から、

👩‍⚕️ご利用者の食生活に関してアドバイス(栄養アドバイザー)
🏢病院ではなく、職場のオフィスで就労者の健康をささえる(栄養指導)
🙋‍♀️福祉業界でのステップアップ(サービス管理責任者やグループホーム事業)

などの支援業務を行うことができます。

ご利用者とのコミュニケーションから自然と生活面のアドバイスをする業務となりますので、

栄養士のキャリアから福祉のお仕事へのキャリアチェンジはとくにおすすめです。

株式会社レジリエンスでは、栄養士から福祉業界に転職したスタッフも多く、未経験からのチャレンジも歓迎しております。

これまで学校・保育園・病院などで勤められていた方にとっては、立場に偏り過ぎない、フラットな会社に感じられると思います。

栄養士の業務に理解のある職場ですので、安心してご応募いただければ幸いです。

当社は、大阪市中央区の北浜に法人の関連施設があり、綺麗なオフィス勤務で支援業務に携わることができます。

栄養士として落ち着いて働ける業務や、女性スタッフが働きやすい職場環境を用意しております。

この機会に栄養士として福祉のお仕事をスタートしてみませんか?

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP
TOP