皆さんは、就労継続支援A型で在宅ワークができることをご存じでしょうか?
これまで就労A型で主流だった「通所型」から、近年になって「在宅型」の就労A型の事業所が注目を集めています。
「在宅型」の就労A型では、主にノートPCやインターネット通信を使用した「テレワーク」を行います。
当社が運営する「就労継続支援A型リリーフ・リファイン」も、ご利用者の方が「在宅ワーク」に取り組める環境をご用意しております。
就労A型の利用者だけでなく、職員も「在宅勤務」による支援が可能です。
今回は、就労継続支援A型で「在宅ワーク」をするときに試したい10の工夫をご紹介します。
在宅ワークが捗るコツや、楽しく取り組める工夫をご紹介します。
就労A型の在宅ワークで試したい10の工夫
就労継続支援A型の在宅ワークで試したい10の工夫は、
② 窓を開けて、こまめに換気
③ 作業机にものを置かない
④ お気に入りの飲み物を用意
⑤ 作業の区切りで休憩
⑥ 1日1回、外出する
⑦ 自分に合った椅子を探す
⑧ 在宅ワークについて発信する
⑨ 休日に知人や友人と会う
⑩ デジタルデトックスをする
になります。
① カーテンを開けて、採光する
在宅ワークのお仕事をするときに気を付けたいのは「生活リズム」です。
在宅のお仕事では、自室で過ごす時間が長くなりがちなので、意識的に「生活リズム」を整える工夫を取り入れてみましょう。
手軽にできる方法としては、毎朝、カーテンを開けて、採光するようにしてみてください。
人間の体内時計は「25時間」の周期(概日リズム)で動いていることをご存じでしょうか?
日光を浴びずに生活していると、この体内時計がリセットされない仕組みになっています。
通勤する方は、朝に外出して外の光を浴びているので、こうした習慣付けがなくても、体内時計がきちんとリセットされています。
在宅勤務の場合、通勤の機会がなくなってしまうため、意識的にカーテンを開けて外の光を部屋に取り入れるのがおすすめです。
日光を浴びると「セロトニン」という成分が体内に分泌されます。
「セロトニン」は、別名「幸せホルモン」とも言われ、精神や気分の安定とも関係しています。
また「セロトニン」は、睡眠作用を持つ「メラトニン」の原料となります。
この分泌のバランスが崩れると、うまく睡眠が取れずに昼夜逆転の生活になりやすい傾向があります。
とくにメンタル面で不調を感じやすい方は、毎朝、日光を浴びる習慣を付けてみましょう。
おすすめは朝の10時までに日光を浴びることで、日光浴の時間は30分程度が目安です。
② 窓を開けて、こまめに換気
在宅ワークが捗る二つ目のコツは、「窓を開けて、こまめに換気」することです。
とくに寒い冬では、窓を開けるのも億劫になったり、暑い夏は冷房の空気を逃がさないために窓を閉め切る方もいらっしゃるかと思います。
しかし、長時間にわたって換気を行わない部屋にいると、作業者自身の呼吸により、二酸化炭素の濃度が上昇していきます。
室内の二酸化炭素の濃度が高くなっていくと、在宅ワーカーの作業効率や集中力のパフォーマンスが落ちることをご存じでしょうか?
実際に約6畳程度のワンルームの室内で、大人一人が作業を行っていると、1時間~2時間の作業で、二酸化炭素の濃度は1000~1500ppm程度に達します。
二酸化炭素の濃度ごとの目安は、
クリーンなオフィス:450~700ppm
一般的なオフィス:700~1200ppm
集中力の低下:1000ppm~1500ppm
著しい効率低下(眠気や頭痛):1500ppm~2000ppm
人体に悪影響:2000ppm~
となります。
換気のポイントとしては「30分に1回」、時間としては「5分~10分」程度、窓を開けて作業するのが理想的な作業環境です。
目安は、室内の二酸化炭素濃度を「1000ppm以下」に保つことで、作業パフォーマンスの改善や集中力アップが見込めます。
なお、1時間に1回の換気では、1000ppmを超える時間が出てくるので、十分とは言えない研究結果が出ており、在宅ワークでは、こまめな換気が必要なことが分かります。
厚生労働省が定める「建築物環境衛生管理基準」においても「1000ppm以下」が、安全な屋内環境の指標として使われています。
新型コロナウイルスなど、感染症対策の観点からも換気を行うことが望ましいと言えるでしょう。
在宅ワーク中の休憩を挟むタイミングで、立ち上がって窓を開ける習慣を付けてみましょう。
しっかりと二酸化炭素濃度の対策をしたい方は、室内の二酸化炭素濃度の測定機器が販売されているので、導入を検討してみてもよいかもしれません。
③ 作業机にものを置かない
在宅ワークを効率よく進めるための三つ目のポイントは、作業時に「机の上にものを置かない」ことです。
皆さんは、カフェや喫茶店で、自習やパソコン作業をした経験はありませんか?
自宅にいるときよりも作業に集中しやすかったり、意欲的に取り組めた、と感じる方も多いのではないでしょうか。
カフェや喫茶店のテーブルの上には「何も置かれていない」ので、デスクを広く使える環境になっています。
在宅ワークを効率よく進めるためには、なるべく「机の上にものを置かない」習慣を付けてみましょう。
デスクの上に置くものは、照明用のランプ、一番よく使う文具用品(ペン、ノートorメモなど)、モバイルWi-Fi、小さな観葉植物などに絞ります。
すると、テーブルの幅を広く使えるのでノートPCを置いても作業しやすくなります。
作業中にコーヒーや紅茶などを常飲される方は、サイドテーブルを設置するのもおすすめです。
作業机の脇にサイドテーブルを「L字型」になるように配置すれば、ドリンクを手に取りやすくなり、作業机の広さを保つことができます。
作業後は使用したテーブルを、アルコールクロスなどで拭いて、清潔にしておきます。
ぜひご自身で、「作業が捗る、居心地のよい作業環境」を作ってみてください。
④ お気に入りの飲み物を用意
在宅ワークで、意外と忘れがちなのが「水分補給」です。
通勤のときは職場のウォーターサーバーや、出先のコンビニなどを利用する機会があります。
在宅勤務のときは、水分補給のきっかけを意識的に作るようにしてみましょう。
1日に必要な水分摂取量は、「1.2ℓ(リットル)」が目安です。
在宅ワークの勤務中には「200ml」の水分を3回程度、取るようにすると1日に必要な水分量の半分を補給できます。
コップの量で言うと、「1日3杯」が目安となります。
作業の気分転換のために、お気に入りの「コーヒー」や「紅茶」、「緑茶」など、お好きなフレーバーを揃えてみましょう。
「コーヒー」は集中力を上げるために、手軽に飲まれるドリンクです。
カフェインの集中力の効果は、摂取してから15分~30分で効果が出はじめ、飲みはじめてから30分~2時間が最も効果が現れます。
個人差はありますが、4時間ほどで「半減期」となり、カフェインの効き目は徐々になくなります。
眠気覚ましの効果もあるので、朝に弱い方は、朝食を摂ったあとにコーヒーを1杯だけ用意してみるといいかもしれません。
100mlあたりのカフェインの含有量(目安)は、「コーヒー>紅茶>緑茶」で、
紅茶:30mg
緑茶・ほうじ茶:20mg
ハーブティー:0mg
ルイボスティー:0mg
麦茶:0mg
黒豆茶:0mg
となります。
カフェインの摂りすぎは睡眠を阻害することもあるので、それぞれの体質に合ったドリンクを選ぶのがポイント。
カフェインの過剰摂取が気になる場合は、「ハーブティー」や「ルイボスティー」に切り替える方法もあります。
起床時の水分補給としては「白湯」が最もおすすめで、とくに冬場は体を暖める効果やデトックスの作用も。
また夏場は、在宅勤務の際にも熱中症になりやすい傾向があります。
大きめのポットに入れた「麦茶」や「黒豆茶」をつくったり、レモンを絞って炭酸水を加えた「レモネード」もおすすめ。
ミネラルウォーターにフルーツを漬けて作る「フルーツ(デトックス)ウォーター」はビタミンやミネラルを補給できます。
万が一のため、脱水症状への対策として、市販の「経口補水液」を自宅に常備しておくとよいでしょう。
⑤ 作業の区切りで休憩する
在宅ワークは、パソコンの画面に向かって作業する時間が長いお仕事です。
ずっとPCに向かい続けていると、姿勢が固まりやすくなったり、肩こり、腰痛などの疲労を感じやすくなります。
また、人間の集中力には限界があり「90分」以上は続かない、と言われています。
小学校のカリキュラムでは1教科あたり「40分~45分」で1回の休憩を挟みます。
大学の講義では「45分」×2セットという考え方で、1講義(1コマ)あたりの時間は「90分」で設定されています。
目安としては「40分~50分」の作業ごとに、1回の休憩を取るようにしましょう。
休憩を取るタイミングを厳密に測る必要はありません。
あくまでもご自身の作業に「区切りが付いた」と感じるときに、5分~10分くらいの小休止を取るようにするとよいでしょう。
つい作業にのめり込みがちな方は、
・換気のために作業部屋の窓を開ける
・PCの画面を閉じて、目を休める
・手を休めてストレッチ
という「身体の動作」を入れて、休憩を取るのがおすすめです。
就労継続支援A型リリーフ・リファインでは、ご利用者の通所時に、ミネラルウォーター(500ml)を1本支給しております。
事業所内のウォーターサーバーやコーヒーサーバーは自由にご利用いただけます。
通所の際も、疲れを感じたら、一旦、手を休めて飲み物を用意したりしてみましょう。
窓に近い座席で作業するときは、少し遠くの方を見ることで、目を休ませることができます。
就労A型リリーフ・リファインの事業所内では、作業時にリラクゼーションのBGMを流したり、小さな観葉植物で緑が見えるように配慮しております。
ご利用者がリラックスしながら作業できる環境を整えています。
⑥ 1日1回、外出する
在宅ワークをする方は「1日1回、外出する」習慣を付けるのがおすすめです。
「在宅ワーク」をはじめると、勤務先までの往復がいい運動になっていたことに気が付かれるでしょう。
就労継続支援A型リリーフ・リファインでは、多くのご利用者の作業がお昼の12時頃までに終了します。
時間差で出勤される方も14時までに業務が終了しますので、作業が終わったあとは、街中をお散歩してみてはどうでしょうか。
ちょっと歩くだけでも、外の空気を吸ったり、風景や季節の変化にも気が付きやすくなって、いいリフレッシュになります。
お気に入りの喫茶店や図書館で、自習や読書をしてみたり、公園や河川敷など自然のあるところで軽いジョギングをするのもおすすめです。
⑦ 座りやすい椅子を使う
在宅勤務では、ノートPCを使った作業になるため、「座りやすい椅子」を用意することが大切です。
漫画家や作家、デザイナーなど、自宅で作業する時間が長い職業の方が、「椅子にこだわる」話を聞いたことはないでしょうか?
クリエイターなどの職業に就く方は、まず仕事をはじめる前にきちんとした椅子を揃える、と言います。
自分の体に合った椅子を使うと、腰痛などのリスクを抑えることができるので、結果的に長くお仕事を続けていくことができます。
就労継続支援A型リリーフ・リファインでの在宅ワークは1日2時間のため、作業による負担は少ない環境です。
ご家庭の使い慣れた椅子があれば十分ですが、快適に作業をしたい方は、ぜひ自分に合う椅子を探してみましょう。
在宅ワーク用の椅子としては、オフィスチェアを最もおすすめします。
オフィスチェアは、もともと事務用に作られている椅子なので、座り心地もしっかりしていて、身体や骨盤を支える効果があります。
デザインも「オフィスカジュアル」なものを選べば、お部屋にも合わせやすく、機能的な作業環境になります。
実際に座り心地を確かめたい方は、週末に家具店などに足を運ぶとよいでしょう。
⑧ 在宅ワークについて発信する
就労継続支援A型で「在宅ワーク」の作業を続けていくと、少しずつ在宅勤務のコツが掴めてきます。
たとえば、「在宅ワークで足元が冷えるときは、スリッパを履き、USBで使える電気ブランケットを使う」など。
ご自身が作業のときに自然とやっている工夫は、「在宅ワーク」を知りたい人にとっては貴重な体験談になることがあります。
作業後の時間で「どう過ごしたらいいか、分からない」という方はブログやSNSなどを使って発信してみるとよいでしょう。
無料のブログサービスでは「note(ノート)」があり、在宅ワークで気が付いたことを記事にすることもできます。
日頃からインターネットを使った作業に慣れていると、PCの基本技術が自然と身に付きやすいのでおすすめです。
コメント欄などの交流を通して、「在宅ワーク」をしながら作業している仲間が見つかるかもしれません。
⑨ 休日に友人や知人と会う
在宅ワークは一人でPCに向かって行う作業のため、孤独感を感じやすい傾向があります。
対人でのコミュニケーションの機会が少なくなってしまうので、休日は友人や知人と会うことをおすすめします。
話すのが苦手という人も、ずっとPCに向かい合って作業を続けていると、悩みを溜め込みやすくなったり、精神的な負荷が掛かることがあります。
障がいを抱えていると、人とのつながりを持ちにくかったり、病気のことを打ち明けられず、苦しい思いをすることがあるかもしれません。
以前の職場や作業所で知り合った交友関係を大事にしたり、ご家族やパートナーがいる場合は、意識的に一緒に過ごす時間を取るようにしてみましょう。
家族関係が良好であれば、ときどき実家に顔を出して様子を話したりするのもおすすめです。
株式会社レジリエンスでは、月1回の心理カウンセリングの機会を設けており、ご利用者は無料でご相談いただけます。
日頃の作業で悩んでいることや、生活面での不安、今後の進路などについてカウンセラーが聞き取りを行いますので、相談の機会としてご利用ください。
⑩ デジタルデトックスをする
デジタルデトックス、という言葉をご存じでしょうか?
デジタルデトックスは、日頃からよく使うスマートフォン・PC・タブレット端末などの「デジタル機器」からあえて離れることを指します。
普段からスマートフォンをお使いの方は「スクリーンタイム」という機能を使って、スマホの使用時間を調べてみるといいかもしれません。
総務省の調査によると、日本人のスマートフォンの平均利用時間は1日あたり「113.3」分(約1時間53分30秒)となっています(2022年時点)。
おおむね、1日2時間程度が平均的な使用時間と言えるでしょう。
デジタル機器の過度な使用は、眼精疲労や運動不足、メンタル面での不調を招きやすい傾向にあります。
スマホの使用時間が「3~4」時間以上の場合は、明らかに使いすぎになっているため、デジタルデトックスの機会を作りましょう。
就寝前は「スマートフォン」を引き出しの奥に入れたり、袋に入れて、手の届かないところに置くのがポイント。
デジタル機器でのスケジュール管理ではなく、あえて手帳やノートなどの「アナログなものに置き換える」のも有効です。
デジタルデトックスをすることで、普段の在宅ワークにも集中しやすくなり、メリハリを付けた作業が可能です。
就労継続支援A型リリーフ・リファインでは、「在宅ワーク」に取り組んでいただけるご利用者を募集中です。
障がいを抱える方で、ご興味のある方は、当サイトからWebエントリーが可能ですので、ぜひご連絡くださいませ。
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