ケア(育児・介護)がキャリアに与える影響

役割が増える時期のキャリアを、どう捉えるか

よくある声・不安・誤解

「育児や介護が始まると、キャリアは後回しになるものですよね」

「今は仕方ないと割り切るしかない気がします」

「周囲に迷惑をかけているようで、仕事に集中できません」

ケアが必要な時期に入ると、こうした声が自然と増えていきます。

育児や介護は生活の中での比重が大きく、仕事との両立を考える余裕がなくなりがちです。

その結果、

「キャリアは一時的に置いておくもの」

「今は考えなくていいもの」

と整理してしまう方も少なくありません。

ただ、そう感じてしまうこと自体が、決して特別なことではありません。

ケアがキャリアに「影響しない」ことは、ほとんどない

一般的に、育児や介護といったケアは、時間・体力・気力の配分に影響を与えます。

そのため、キャリアに何らかの影響が出るのは自然なことです。

ここで大切なのは、影響があること=マイナス、と短絡的に結びつけないことです。

ケアが始まることで、働き方のペースを落とす必要が出てくる場合もありますし、

仕事内容や役割の比重を調整する時期が生まれることもあります。

それは「止まる」「遅れる」というより、一時的に配分を組み替えるプロセスに近いものです。

制度は「整っている」だけでは足りない

育児休業や介護休業、短時間勤務など、

制度自体は用意されています。

ただし、それらが実際に使いやすいかどうかは、職場環境や相談のしやすさによって

大きく変わります。

■制度はあるが、具体的な使い方が分からない

■相談するタイミングを逃してしまった

■使ったあとの働き方が想像できない

こうした状態では、制度があっても「選択肢として認識されにくい」ことがあります。

制度は完璧ではありません。

だからこそ、個別に話し合える余地があるかどうかが、

キャリアへの影響を左右する要素になります。

キャリアコンサルタントの視点から

ケアは、キャリアを壊すものではない

キャリア相談の現場でよく聞くのは、

「迷惑をかけているから、これ以上は望めない」

「今は我慢する時期だと思っている」

という声です。

ただ、ケアを担うことで培われる力も確かにあります。

限られた時間で優先順位をつける力

先を見通して準備する力

相手の状態を察しながら調整する力

これらは、目立ちにくいものの、

仕事の場面でも活かされる力です。

キャリアとは、

役職や評価だけで測れるものではありません。

どんな経験を積み、

どんな力を蓄えているかも含めて、

長い目で見ていくものです。

「今は考えなくていい」にしないという選択

ケアが始まると、

「落ち着いてから考えよう」

「今は目の前のことで精一杯」

と感じるのは自然なことです。

ただ、キャリアについて

“何も考えない状態”が長く続くと、

後から選択肢が見えにくくなることもあります。

大きな決断をする必要はありません。

今、何に一番エネルギーを使っているか

■今後、比重を変えられそうな余地はあるか

そうした小さな整理だけでも、自分の選択肢を手放さずに済みます。

知っておくと助かる視点・確認先

育児・介護に関わる制度や支援については、以下の公式情報での確認が安心です。

  • 厚生労働省
  • 健康保険組合
  • 日本年金機構
  • お住まいの自治体の子育て・介護支援窓口

制度の内容は変更されることもあるため、最新情報の確認が必要です。

また、制度そのものだけでなく、「誰に相談できるか」を知っておくことも重要です。

最後に

ここで、一つ問いを置いてみます。

「今のケアの経験は、どんな力を育てているでしょうか。」

今すぐ言葉にできなくても問題ありません。

はっきりした答えがなくても構いません。

ケアがある時期のキャリアは、

前に進むことよりも、

長く働き続けるための土台を整える時間

と捉えることもできます。

今すぐ結論を出さなくても大丈夫です。

選び直せる余地は、残っています。

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